あえて、お勧めと言うものでもないが、自分の中でマイブームになってい
る本がある。
『猫っこ倶楽部(スコラ)』
そう、お勧めにしないのはネコが好きでないと面白くないかもしれないか
らです。(簡単な理由だね)
基本は4コマ漫画で、面白いものばかりなのだが、その中に4コマではな
く、ギャグでもない話があって、それがどうしても心に残っているので、紹
介しますね。
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私が小学生の頃だった。弟が近所から仔猫をもらってきた。(命名トム♂)
でっかくなったトムは、体は逆三角形の筋肉質。田舎の家の思い戸も平気
で開ける力持ち。
あっという間に近所のボス猫として君臨する。
そんなトムのお嫁さんは、年とった白いノラ猫。
そのうち、納屋で仔猫を産んだ。トムそっくりのトラ猫であった。
仔猫を連れ出し遊ぶわたしたちを、遠くからじっと見ていた母猫。
わたしたちはその仔猫をいったん巣に戻したのだが...
しばらくすると、母猫が、仔猫を転がし転がし運んでくる。
もう一度巣に戻したが同じ事をした。
『・・・飼えってゆーこと?』
『そーじゃろ、たぶん』
仔猫はうちの猫になった。
母猫はその後も仔猫の様子を見に来ていたが、そのうち姿を見せなくなっ
た。
トムにそっくりな仔猫は父親にじゃれて遊びながら、トムそっくりの強い
猫になった。
そして、父親を追いまわし始めた。
トムは目に見えて老いてゆき、やがて、そっと家から姿を消した。
母親の話では、うちから遠く離れた家の屋根裏で死んでいたと言う。
今は、トムもその子供も、木下に眠っている。
そんな猫たちの生きざまを、わたしは、ただ忘れずにいたいと思う。
うちの猫たち眠るとき、わたしはときおり思い出す。
あのトムも、その子供も、あの頃わたしのそばで、こうして眠っていたの
だということを...
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というわけで、おきにな話しでした。
もし、興味のある方は、本編も読んでみるといいでしょう。本編は、笑え
る話ばかりですけど...
1998. 9.26 (Saturday) - Re'ph -
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